最近、あらゆる指標において、日向坂46のファン離れが顕在化してきており、看過できないほどになってきてしまっている。そこで、今回は日向坂46の現状と今後の課題について検討していきたいと思う。
日向坂46のファン離れ
冒頭でも触れたが、これまで「なんとなく」ファンが減っているだろうで済ませることができていたことが、いよいよ目に見える形で表れてきている。まずは、どのような問題が発生しているのか、現状を把握したい。
宮城公演での空席問題
さて、今回このような記事を書くに至ったきっかけが、先日行われた日向坂46の全国アリーナツアー”Happy Train Tour 2023″における宮城公演1日目で起きた出来事である。2023年10月6日(金)に仙台にあるセキスイハイムスーパーアリーナで宮城公演1日目となるライブが行われた。しかし、座席は完全には埋まらず、一部に暗幕が設けられた状態での公演開催となった。また、チケプラトレードでは、トレード不成立となった枚数も多く、暗幕以外においても空席が目立つ公演となった。暗幕を設けてのライブは日向坂46史上初のことであり、これまでけやき坂46を含めても、このようなことは一切なかった1。このことは当初、一部コミュニティでのみ情報共有がなされていたが、メンバーの佐々木美玲がブログでこの問題について触れたことにより、多くのファンがこの問題を知り、様々な意見が飛び交うこととなった(佐々木美玲のブログはこちら)2。2年前の2021年に行われた日向坂46の全国アリーナツアー”全国おひさま化計画2021″でも同会場で宮城公演が行われたが、平日の開催であったものの、フルキャパで開催することができていた(もちろん全国おひさま化計画に関しては、当時コロナ禍であったことから、ソーシャルディスタンスをとるため、座席が間引きされていたことは考慮しなければならない)。
福岡公演での空席問題
宮城公演の翌週、福岡でも日向坂46のライブが行われた。私は福岡公演の方が悲惨な状況となるかもしれないと危惧していたが、そんなことは杞憂だった。一般チケットが売り切れておらず、空席は発生したのだが、一部座席をカメラ席へと転用することで、なんとか暗幕は回避したようである。ただ、運営が想定しているよりも少ないチケットの枚数しか売れておらず、空席が生まれてしまっていることは事実である。宮城公演と同様に、福岡公演も2年前に同会場で実施しており、チケットは即完している。こちらも、2年前はコロナ禍であったことから、ソーシャルディスタンスをとるため、座席が間引きされていたことは考慮しなければならないが、少なくとも2年前は運営が用意した全ての座席が売れていたわけである。
昔、できていたことができなくなっている、というのは非常に深刻な問題である。この問題を「平日開催だから埋まらなかった」や「地方の日向坂46のファンが少ないから埋まらなかった」といった表面的な理由で片付けず、もっと本質的な問題から考えていく必要がある。
この問題の本質は、「平日開催だから」でも「地方の日向坂46のファンが少ない」でも「セキスイハイムスーパーアリーナのアクセスの悪さ」でもなく、そもそも「日向坂46のファンが減っている」ということにある。元を正せば、これが問題なのである。たとえ、ライブの条件が悪く、ファンが首都圏に集中していたとしても、首都圏に熱量の高いファンが多ければ、多少遠征してでも、ライブ会場に向かうはずである。実際、2年前は宮城公演であろうと、福岡公演であろうと、関東から多くの人が遠征し、フルキャパで開催することができていた。2年前は今と比べて特別地方に日向坂46のファンが多かったわけではない。首都圏に住む多くのファンが日向坂46のライブに参戦するためにわざわざ仙台や福岡に行っていたのである。そして、このことは今も変わっていない。変わったことは、その首都圏から仙台・福岡に行くファンが減ったことくらいである。すなわち、日向坂46のファンの大部分を占める首都圏のファンが減った結果、仙台・福岡が埋まらかったわけである。このような状況で「地方の日向坂46のファンを増やそう」と言っても限界がある。もともと日向坂46のファンだった人がファンでなくなっているのは、日向坂46そのものに魅力を感じなくなったからであろう。ゆえに、そのように多くの人が思っている中で、小手先のテクニックを使って、地方に力を入れ、様々な活動を行っても、結局は焼け石に水であり、ファンが大きく増えるかは微妙である。
余談だが、来年以降、全国ツアーは東名阪ツアーとなる可能性がある。去年、櫻坂は2ndツアーで広島公演を行ったが、空席が発生し、3rdツアーからは開催地から外している。日向坂でも同様の処置が執り行われる可能性が十分にあり、今回空席が発生した宮城と福岡が、来年度以降、開催地から外されるリスクは高い。運営は今、取捨選択に迫られているが、運営やメンバーがフルキャパでの開催を望むなら、この先、全国ツアーは東京(横浜)、大阪、名古屋のみの開催へと規模が縮小されていくことだろう。
この宮城福岡空席問題は日向坂46のファン離れが如実に現れた初めての例かもしれない。冒頭でも述べたが、これまでは”なんとなく”日向坂46そのものに勢いがなくなってきたように感じ、”なんとなく”ファンが減っている”ように感じる”といった程度のものであったが、今回の宮城福岡空席問題でそれがはっきりと示された。この宮城福岡空席問題がこの先の日向坂46にとって、エポックメイキングなシーンとなることは間違い無いだろう。それはこの先、日向坂46がどのようになったとしても。
さて、どのようにしてファンを増やしていくかについては次節で考えることとして、とりあえずこの節では、もう少し、日向坂46ファン離れにより顕在化してきている問題を取り上げることにする。
MVの再生数”激減”問題
次に取り上げる問題は、MVの再生数”激減”問題である。MVの再生数は楽曲の完成度やMVそのものの完成度に依存することも多いため、再生数=ファンの数とすることはできないものの、ある程度は比例するため、ここで取り上げさせてもらう。
日向坂46のMVは1st〜4thそして1stアルバムまではリリースされるたびに概ねその再生数を伸ばしていた。特に最高期であった1stアルバムリード曲「アザトカワイイ」では公開1日で約120万回程度再生されるほどであった。しかしながら、その後、5thから今に至るまで、リリースされるたびに再生数を落としている。それでも、5th「君しか勝たん」や6th「ってか」では公開1日でそれぞれ約108万回、約112万回ほどの再生数はあったが、今や1日で再生回数100万回を超えることはおろか、公開1日後の再生回数は約30万回〜50万回程度である。これは、乃木坂工事中の見逃し配信の再生数すらも下回っているような数字である(もしくは同水準)。これを危機的状況と言わずになんというのか… かなり深刻な問題の再生回数である。公開1日で30万回〜50万回程度しか再生されないような曲はこの世に存在していないも同然である。このような数字からも分かるように、曲自体、ファンに受け入れられておらず、かつて存在していた”勢い”というものがなくなっていることがわかる。曲はグループのイメージを形成する重要ファクターの一つである。もう少し、曲を大切に考える必要があるだろう。公開されるたびに批判されるようであれば、ファンも気を落とすのは目に見えている。
写真集の売上
続いて写真集の売上について考える。写真集の売上は、個人の人気によるものが大きく、当然、直接は比較することはできないのだが、ある程度は参考になる。例えば、2021年に写真集を出した小坂菜緒や齊藤京子はそれぞれ初週売上約12万部、約8.4万部を売り上げている。一方で、2023年に写真集を出した加藤史帆は写真集の売り上げが約4.6万部程度となっている。小坂菜緒とは比べられないとしても、加藤史帆と齊藤京子はグループの人気も同程度と(一般には)言われている中で、約4万部もの開きがある。センター経験者である加藤史帆の写真集の売り上げが約4.6万部程度というのはなんとも悲惨である。日向坂46のメンバーが出した写真集で初週写真集売上が上位なのは、全て2022年以前に出版されたものであり、2023年以降出したメンバーで最も高い売上を出したのは、影山優佳である。ただ、その影山優佳はグループとしての勢いではなく、W杯効果による個人での勢いで達成した数字なので、あまり参考にならない。要は、写真集の売上を見ても、グループ全体としての人気の衰えが見て取れてしまうということである。
その他
その他細かい点としては、ミーグリの完売率の減少、楽曲のダウンロード数の低下、ストリーミング数の低下、オリコン/ビルボード比率の増加(=同じファンによる複数買いの割合増加)などが挙げられる。ただ、指標としては微妙なので、今回は省かせていただく。
ファン離れの原因
ここからはファン離れの原因について考えていく。ただ、どうしても主観的な要素が入ってしまうことはご了承いただきたい。
楽曲コンセプトの迷走
まず、考えられるのは楽曲コンセプトの迷走である。日向坂46はデビュー直後は明るい楽曲を歌っており、単純明快で分かりやすい路線で活動していた。ところが、5thシングルくらいから雲行きが怪しくなり、6thシングルでガラッと路線が変わった。6thシングルの頃はこのような曲が物珍しいことや、楽曲およびMVの完成度が高かったことなどから、多くのファンに受け入れられていたように感じる3。しかし、7thシングル、8thシングル、9thシングルへとシングルが出されるたびに、明るい路線で好きになった(もしくはその路線を望んでいる)ファンは困惑。結果として、デビュー当初の明るい路線から別の路線へと変更した日向坂46は、一定数ファンに受け入れられなかったのだろう。もしくは路線変更した先がコンセプトがはっきりしておらず、不透明で、明確にファンに伝わっていなかったこともファンが困惑した一因だろう。このようにして、ファンは望んでいるものを提供してくれない日向坂46に対して嫌気がさし、離れていったのだろうか。
日向坂46は多くのメンバーが成人し、アイドルグループとしては高齢化している(特に1〜3期生)。秋元康はグループやメンバーにあった楽曲、グループ・メンバーのストーリー性を汲んだ楽曲を歌わせるのが好きである。すなわち、多くのメンバーが成人したアイドルグループに明るいキャピキャピ路線の楽曲を歌わせるのは無理があるだろうと判断したのだと思われる。その判断自体は間違っていないかもしれないが、うまく路線変更できず、結果として多くのファンを失わせることとなってしまった。
アイドルグループにとって楽曲はビジュアルと同じくらい(もしくはそれ以上に)大切な存在である。楽曲が爆発的ヒットとなれば、本人たちにやる気があろうとなかろうと、自然と売れていく。逆に楽曲があまり良いものでないと、売れるのは困難を極める。楽曲一つでアイドルの道が大きく変わる。それだけの力を持っている。
だからこそ、運営さんには楽曲に力を入れてもらいたいものなのである。お金をかけてほしいところなのである。ここ最近の楽曲は明らかに力が入っていない(お金がかかっていない4)。経費削減なのかは分からないが、ここ最近の楽曲軽視な方向性には少し首を傾げたくなる。
運営の迷走
楽曲だけでなく、運営そのものも迷走している。年明け1月〜3月にほとんど目立った活動が無かったり(計画していない)、今年の4月突然横浜を聖地にすると言い始めたり、W-KEYAKI FESを無くしたり、ひなくりを無くしたり、今年に入り迷走を極めている。どの施策も行き当たりばったり感が否めない。楽曲そのものも迷走、運営も迷走、メンバーもどこに向かって活動すれば良いか分からないし、ファンも路頭に迷っている。
運営は保守的?
最近の日向坂46の運営を見ていると、保守的に動いているように見える。ここ最近の運営は、今いるファンが離れないようにはどうすれば良いのか、今のファンに受け入れてもらうにはどのようにすれば良いのかと考え、70点くらいの解答を出し続けているように感じるのだ。少し挑戦して100点を狙うのではなく、30点を取らないようにするために70点を狙って活動をしているように見える。
その際たるものが、4期生の処遇である。現状、選抜制を導入するでもなく、少し挑戦して4期生を表題曲に参加させるでもなく、4期生は各シングルに4期生曲として参加する程度であり、現状の日向坂46でよく分からない立ち位置に位置している。これは、批判を避けるためにこのような処遇にしていると考えざるを得ない。表題曲を1期生〜3期生のみの参加とし、形の上で全員選抜としておけば、目立った批判はこない。日向坂46の未来を考えて、少し挑戦して批判覚悟で表題曲に4期生を入れ、活動するのではなく、安全策を取ることを運営は選んだ。遅かれ早かれ4期生は日向坂46の未来を担うのだから、将来性を考えれば、表題曲に4期生を入れる必要性があるのだが、運営はそれができていない。4期生をどうしていきたいのかもよく分からない。
去年の年度終わり、加藤史帆が日向坂定点カメラで「2023年は勝負の年」と言っていた。結局、運営は勝負などせず、保守的な活動をし続けている。これはただ単なる延命措置であり、日向坂46の将来へと繋がって行かない。女性アイドルは寿命が短い。飼い殺し期間は非常に勿体無い。
実際、4期生が表題曲入りし、選抜制となったら、ファンからは批判殺到となるだろうか。私は運営に対して4期生をなぜ12名もの人数入れたのか、その真意を問いただしたい(もちろん、今の4期生メンバーが不要と言っているわけでない)。もし仮にこれが今の半分の6名なら、全員選抜続行で表題曲参加できたのに。その辺りも行き当たりばったりのように感じてしょうがない。
目標の無さ
今の日向坂46には目標がない。メンバー個々人では色々な発信をしている。「国立競技場でライブしたい」とか「ドームツアーしたい」とか「都道府県ライブしたい」などである。しかし、グループ全体としての目標がなく、いま、日向坂46全体としてどこに向かっているのか、よく分からない状態となってしまっている。メンバー一人一人が別々のベクトルを向いてしまっている。2022年3月に東京ドームライブを行って以降、グループは宙に浮いたの状態で活動しているように見える。グループ全体で一体どこに向かっているのか、はっきりさせるべきなのかもしれない。
グループの不和
最近はだいぶ改善されたが、今年の前半はグループの雰囲気があまりよくなかった。餃子パーティーライブの加藤史帆の行動に代表されるように、1期生や2期生が4期生と馴染もうとせず、1期生〜3期生と4期生というように分断されていた時期があった。そのようなマイナスイメージがある分、1期生や2期生は、より一層、4期生と馴染んでいく必要があるだろう。女性グループにおいては、特に、仲の良さは大切である。
ファンの飽き
ファンの飽きという問題もあるだろう。こればかりはグループ内でどれだけ頑張っても致し方ない箇所であり、どうしようもないのだが、どうしてもファンの飽きが生じてしまう。それゆえ、どのような時期でも、どのようなグループでも離れていっているファンは一定数存在するのだが、それ以上に新規ファンが多ければ問題ないのである。つまり、新規ファン>離脱ファンとなっているのが望ましい状況なのだが、ファンが減っているというのは、離脱ファン>新規ファンという状況を指す。そして、これは今の日向坂46のファンの状況でもある。では、今なぜ離脱ファンが多いのだろうか?これはあくまでも私の仮説なのであるが、コロナ禍で獲得したファンがいま、どんどん離脱していっているのではないかと考える。日向坂46はコロナ禍でも一定数のファンを獲得したグループである(と私は思っている)。コロナ禍の2020年にアザトカワイイがそこそこヒットし、そこでそれなりのファンを獲得した。いま、そのファンが離脱しているのではないだろうか。なぜ離脱していのかといえば、ファンにとって日向坂46に飽きが生じた、もしくはコロナ禍が明け、実生活が充実し、日向坂46に興味がなくなった、この辺りだと思う。これはメンバーがいくら頑張ったところで、致し方ない箇所のように思える。
主力メンバーの高齢化
日向坂46は主力メンバーが高齢化している。1期生である加藤史帆、齊藤京子、2期生である小坂菜緒、丹生明里、金村美玖、いずれのメンバーも20歳を超えている。非情ではあるのだが、大部分の男性は若いほど魅力を感じる。高齢化を迎えている日向坂46よりもより若いメンバーのいる他のグループに流れてしまうのは当然なのかもしれない。
4期生スキャンダル
あまり書きたくない部分なのだが、4期生のスキャンダルというものもあると思う。4期生が12名入ってきて、良くも悪くもグループの雰囲気が大きく変わった。4期生は日向坂46へ加入後、多少のスキャンダルがあった。何というか、そのような箇所に嫌気が差し、ファン離れしていった可能性がある。
ファンを増やすには
では、具体的にファンを増やすにはどのようにすれば良いのだろうか。ここでは、ヒット曲をもらうといった非現実的な案ではなく、もっと現実的な案を考えることにする。
当たり前のことだが、ファンを増やすためには、より日向坂46を魅力的なグループにする必要がある。その方法について考える。その次に、その魅力をどのようにして伝えるかという手法について考える。
将来性を多くの人に感じさせる
私はアイドルグループを推すとかメンバーを推すといった行為は根底においてギャンブルに通ずるものがあると考えている。アイドルグループを応援するというのは、もちろん好きだから応援するのだが、どこかこのアイドルグループはもっと有名になり、より多くの人に応援されるだろうから応援している気持ちがあるのではないだろうか。つまり、多くの人にとって、このアイドルグループはもっと有名になり、より多くの人に応援されると思わせなければならない(これを「勢い」と呼ぶのかもしれないが)。では、どのようにすれば良いのだろうか。その方法の一つとして、将来性があるグループだと多くの人に感じさせるというものがあるだろう。日向坂46の将来を担うのは4期生であるから、4期生に将来性があると多くの人に感じてもらう必要がある。しかしながら、現状、運営は4期生を全く推しておらず、現状、飼い殺し状態。キャプテンセンターなど保守的なことをやっている場合ではなく、もっと将来につながるような挑戦的なことをする必要があるだろう。
目標を育てる
次に必要なのは目標だろう。前節でも述べたが、現状、日向坂46全体に目標がない。今すぐに目標を作る必要はないと思うが、少しずつ目標を育てていくべきだろう。少なくとも各メンバーが別々の方向を向いている今の状態では難しいと思う。
メンバー同士もっと仲良くする
今ではだいぶマシにはなったが、やはり、1期生〜3期生と4期生というように分断されている感が否めない。1期生〜3期生と4期生で別々のグループを見ているようである。1期生〜4期生まで期関係なく交流をはかり、一つになって活動していく必要があると思う。
不人気メンバーをなくす
書こうか迷ったのだが、今後の日向坂46の発展のためには人気のないメンバーをなくす必要がある(特に4期生)。残念ながら、日向坂46にはあまり人気のないメンバーが一定数存在する。ビジュアルでほとんど決まってしまうような世界ではあるのだが、本人の努力次第で何とかなる部分もある。もしも、これから選抜制に移行したときに、アンダーでずっと固定のメンバーがいるという悲しい事態にだけはならないように願っている。
これからの課題
日向坂46には他の坂道グループと異なり、課題が山積である。前節で「将来性を多くの人に感じさせるには〜〜〜」みたいなことを語っておきながら、言うのは少し憚れるが、個人的に日向坂46の将来性に対して非常に不安に思っている。日向坂46のこれからの主な課題は以下の3点である。
- オリメンの卒業
- 選抜制導入による人気低迷
- 新人の人気低迷
これら懸念点以外にも、例えば、坂道グループ全体の人気低迷、アイドル産業そのものが斜陽であること、僕青に代表されるようなライバルグループの台頭などの課題も考えられるが、このような課題は日向坂46のみならず、他の坂道グループも有している課題といえる。しかし、上であげた3つの懸念点は、他の坂道グループは有していない日向坂46特有の課題であるといえる。これら課題についてこの先考えていきたいと思う。
オリメンの卒業
まず、大きな問題としてオリメンの卒業による人気低迷の可能性が考えらる。他の坂道グループである乃木坂46や櫻坂46の場合、オリメンすなわち、1期生はほぼ卒業している。乃木坂46に関しては、1期生と2期生は全員卒業し、3期生〜5期生がグループの中心として頑張っている。一方で、日向坂46の場合、1期生と2期生の多くはグループに残っており、グループ人気はほとんど1期生と2期生人気と言って良い状態かと思う。なかなか3期生と4期生に世代交代が進んでおらず、この状態のまま1期生と2期生が抜ければ、それがそのままグループ人気の低迷につながりかねない。
現状、4期生を応援しているファンは、別に1期生や2期生に推しメンがいて、それにプラスして4期生を応援しているというファンが多いように感じる。もちろん、4期生単推しも存在しているのだが、他坂と比べて少ない印象である。
選抜制による人気低迷
現在、日向坂46のファンは「選抜制導入推進派」と「全員選抜維持派」の2派閥存在する。かつての日向坂46の魅力の一つに全員選抜というものがあったが、選抜制が導入されれば、魅力の一つが明確に無くなり、全員選抜を魅力の一つに感じていた一部のファンを失うことへつながる。だからといって、全員選抜とし、約30人でステージ上でパフォーマンスすれば、フォーメーションがごちゃつき、パフォーマンス面において見劣りしてしまうのは明白である。いずれにせよ、八方塞がりの状況である。
新人の人気低迷
完売表を見てもらえればわかるのだが、多くの4期生は人気が低迷している。これまで散々述べているように、日向坂46の将来を担うのは4期生であるのだが、4期生は既存の日向坂46のファンにあまり受け入れられておらず、4期生の人気は正直、他坂の新人と比較してないと言わざるを得ない。
おわりに
これだけ議論してきたが、現実的には、一度坂を下り始めたら、もう一度坂を登り始めるのは無理なのかもしれない。しかしながら、その坂を降るスピードは遅くすることはできると私は思っている。
これまで多くの苦境を超えてきた日向坂46。何とかこの困難も乗り越えていってほしい。